April 08, 2006

アリオッチ!アリオッチ!御身に血と魂を捧ぐ!

勇猛なるジャレグ―暗殺者ヴラド・タルトシュ気になってばっかりで、全然本の読めてないdaddyscarでありますが。

傷んだ物体/Damaged Goods: 勇猛なるジャレグ?暗殺者ヴラド・タルトシュ/スティーブン・ブルースト
そこで繰り広げられる神経戦(呪術と妖術)と肉弾戦のバランスやコンビネーションが絶妙で主にそれらのクラッシュを中心に展開していくので、“ファンタジー”という語感から想像される夢見心地なバイアスはすべて捨て去ってもらって結構だと思う。

ファンタシィでハードボイルドというと、僕なんかがすぐ思いつくのは、ナンシー・A. コリンズのミッドナイト・ブルーとか、レズニックの一角獣をさがせ!とか(うわあ、ちょっとナンパ過ぎ…)。
でもどちらも舞台はファンタシィの薄膜がかかった現実世界であって、純粋にファンタシィ世界を舞台にしたものというと、これぐらいしか思いつかない。
本当は、ドラキュラ紀元のキム・ニューマンが、同作のキャラクターである麗しき吸血鬼の少女ジュヌヴィエーヴを主人公として別名で書いた傑作ドラッケンフェルズを挙げたいとこだけど、あれもファンタシィを基礎としたインタージャンルな作品と云えど、あまりに手に入りづらいし、ハードボイルドというより、ちょっとミステリ寄り。


いかにもな道具立てからハードな展開に至るさすがのレズニックは置いとくとしても、『ドラッケンフェルズ』以外の2作は、あまりにマンガっぽい(というかラノベっぽい)作品でありまして、もっともっとハードボイルド寄りらしいこの作品は、ちょっと興味深々であります。


さて、毎度?話は変わって、ファンタシィでハードボイルドってえと、僕なんかが思い出すのは、実は"エルリック"なんですが。

人外の存在を統べる王でありながら、と同時に、殺した者の魂を喰らう魔剣"ストームブリンガー"にすがって生きていくしかない弱者。憂鬱なる王エルリック。

軽口叩きまくるマーロウやアダルト犬神明とは対極に位置する人物なんだけど、なにごとにも絶望していながら、それでも目的に向かって突き進んでいく姿には、ハードボイルドを"感じて"しまう。

あと、現在刊行の始まっている完訳版ではなく、以前の版の井辻朱美による解説に、眠狂四郎とのアナロジーを思わす文章がありましたが、僕の中で、ハードボイルドと剣豪小説(≒時代小説)が近しいというのは、前に『樅の木は残った』について書いた通り。


エルリック1ちなみに旧版エルリックは、もちろんコンプリート済み。
未訳作品も刊行されるとのことで、たぶん買っちゃうんでしょうが、混沌の魔神Ariochだけは、「アリオック」ではなく、「アリオッチ」のままにしていて欲しかったなあ…





daddyscar at 15:04   このエントリーを含むはてなブックマーク   この記事をクリップ! Comments(0)TrackBack(0)SF  Edit

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daddyscar




紹介するほど
自己確立してないし
まあ、ただの日記なんだけど
それでだけ終わるのも
能がないっていうか
パラノ体質が許さないってか

で、一応ゲイなんですが
それに限らず色々書いてきます
でも、やっぱゲイであることから
離れることは出来ないかも



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