March 14, 2006

完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。

村上春樹の自筆原稿ネットで流出、販売 - nikkansports.com > 社会ニュース
作家村上春樹さんの自筆原稿が本人に無断で流出し、古書店やインターネットで高値で売りに出ていることが10日までに分かった。同日発売の月刊誌「文芸春秋」4月号に村上さん本人が経緯を寄稿した。

16ページにおよぶ村上さんの寄稿「ある編集者の生と死」によると、流出した原稿は複数あり、インターネットのオークションにかけられたり古書店で売られたりしている。例えばフィッツジェラルド作「氷の宮殿」の翻訳は、400字詰め原稿用紙73枚で100万円を超す値段で古書店に出ていたという。

寄稿によると、これらの原稿は村上さんが、中央公論社(現中央公論新社)の編集者に直接渡した。編集者は退社後、2003年に亡くなった。

どうもこの編集者というのは、ヤスケンのことであるらしい。


もちろん、このことが本当ならば、ヤスケンこと安原顯のやったことは編集者として?あるまじき行為なんだけど、でもそれが、村上春樹に対する嫉妬だというのは、なんだそれ(苦笑)って感じ。


僕は、村上が書いたというその文章を読んでないのだけど、こちらの blog で、その内容が一部引用されている。

活字中毒R。: 村上春樹の生原稿を「流出」させた男

孫引きになっちゃうんだけど、そこはご勘弁。
安原顯氏が小説を書いていたことを知ったのは、かなりあとになってからだ。彼はいくつかの筆名で、あるいはときには実名で小説を書いて、それを文学賞に応募したり、あるいは小さな雑誌に発表したりしていた。自分が担当している作家たちにも自作を見せてまわって、感想を求めていたらしい。正直言って、とくに面白い小説ではなかった。毒にも薬にもならない、というと言い過ぎかもしれないが、安原顯という人間性がまったくにじみ出ていない小説だった。どうしてこれほど興味深い人間が、どうしてこれほど興味をかき立てられない小説を書かなくてはならないのだろうと、首をひねったことを記憶している。いちばんの問題は、自分が本当に何を書きたいのか本人にもよく見えていなかったというところにあるのだろうが、いずれにせよ、これだけの派手なキャラクターを持った人ならもっともっと面白い、もっと生き生きとした物語が書けていいはずなのにとは思った。しかし人間性と創作というのは、往々にして少し離れた地点で成立しているものなのだろう。

で、ここ以外にも、この問題に触れた記事が。


内田樹の研究室: 村上春樹恐怖症

琥珀色の戯言 - 村上春樹が怖い

このどれを見ても、村上が書いた「これは安原顯の嫉妬によるものだ!」という言説を鵜呑みにされちゃってるんだけどさ(しかもみんなヤスケンのこと知らないのな)。

なあ、そんなことある訳ないべな(笑)


ヤスケンと云えば、彼が編集者として発掘した作家は綺羅星のごとくで、本人曰く「スーパーエディター」なんてベタな肩書きを名乗っていたけれども、それはまさにそうで。

村上春樹自身も、もちろんヤスケンが発掘したひとり。


そんなヤスケンが、自分で小説書いて、その小説の価値がわからなかったって?
あのヤスケンが?

またまた、ご冗談を(爆)


村上が書いたという文章は、一種のアングルだと思うね。てか文学的創作。

ヤスケンの晩年を、出来るだけ汚さないためのさ。


ナイーヴ過ぎる?


んじゃ「妄想乙!」って一人突っ込みしとくわ…



daddyscar at 03:27   このエントリーを含むはてなブックマーク   この記事をクリップ! Comments(3)TrackBack(0)literature  | always the way Edit

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この記事へのコメント

1. Posted by とおりすがり    March 16, 2006 17:47
「ヤスケンの晩年を、出来るだけ汚」すためだと思った。偉大な作家ならやりかねない。。。
2. Posted by daddyscar    March 17, 2006 15:54
>とおりすがりさん

でも、それならそれで、文学的事件なのよ。

死してなお、文学に戯れることが出来るなら、ヤスケンも本望じゃないのかなあ。
3. Posted by ともな    December 11, 2007 11:40
この原稿流出事件についての春樹氏の本意は、春樹氏が自分の期間限定サイトで読者とやりとりをしたのをまとめた「ひとつ、村上さんでやってみるか」という本に複数書かれています。
「やられたのが自分一人だったら、また編集者がもっと無名の人間だったら自分は不快な気持ちを抱えたまま黙っていたと思う。だが原稿流出という被害に遭っている作家は他にもいたし、それは出版関係者も知っていて黙殺していたのです。少なからぬ数の作家が自分の原稿を売られたことに傷つき、戸惑っている。誰かが声をあげなければならなかった」
「『死人に鞭打つ行為』と言われるのは分かっていたが、死んでいても自分の行った行為に対する責任というのは存在する」
「作家にとって生原稿を売られるというのは身を切られるほどに辛いのだということです」
という意味のことを述べています。

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