June 15, 2005

ミリオンダラー・ベイビー

GBrにおける、Mr.インクレディブルDVD発売!の第一報を、ponpokoさまに取られたしまって意気消沈しているdaddyscarでございます(嘘)


さて、気気鵑蛤埜紊亡僂娠撚茲任△『ミリオンダラー・ベイビー』について、記事を書こう書こうと思いながら、もう3週間以上たってしまったのですが、「さて、ネタもないし、そろそろ書くべ」と思ってたら、最近GBrに登録された、オタクでアレゲィ:mizututaのチラシの裏さん経由で知った、こちらのblog(あたしはレズビアンだと思われてもいいのよ)で、なんか思ったことが、ほぼ云い尽くされてたので、付け加えることは、あんまりありません(って、こんな物云いを最近、どこかでもしたような…)。

まあ、でも、ちょっとだけ。


以下、ネタバレしています。未見の方はご注意を。

いい映画ですし、自身もトレイラー・パーク出身らしいヒラリー・スワンク(本人自らアカデミーの受賞スピーチで云ったらすぃ…)の熱演も好感がもてますし、イーストウッドもモーガン・フリーマンもカッコ良かったんだけれど、やっぱり、このラストは辛過ぎる。
フィクションならば、ハッピーエンドでいいじゃんと思ってしまうんですが。


たとえば、莫迦売れした浅田次郎の『鉄道員(ぽっぽや)』なんかを読むと、上手いとは思うんですが、泣かせようという作為が透けて見えてしまったりします。

でも、"透けて見える"ということは、作者が、「読者を泣かせること」を目的としてそれを書いてる訳ですから、それは大衆小説が売れるための手法として納得がいく。


では、イーストウッドは、観客を泣かせるために、この映画を撮ったのか?

そこが引っ掛かるんですよね。
イーストウッドは、昔から、良くも悪くも物語の骨法(語り口も含めて)を外したような映画を撮ってますが、それは多分に意識的なものでなく、それゆえに、「"泣かせ"なんて単純なものを目指す? イーストウッドが?」と思ってしまう。

翻って"泣かせ"の映画であるならば、独白を使用して第三者(モーガン・フリーマン)の視点で語る、なんていう感情移入しづらい語り口を使う必要があったのかと。

うーむ。
やっぱ、なんでイーストウッドが、これを題材に、映画を撮ろうと思ったのか、その動機が、全然理解出来ないなー。



話はちょっとズレますが、こないだのPlutoの記事で、ちょこっとだけ触れた伊藤剛氏のblogに、こんな文章がありまして。

あるいは、先日の「BSマンガ夜話」で『鋼の錬金術師』を取り上げた際、いしかわじゅんが「演出上の理由で人を死なせることが、ゲーム的な軽い生命観を示している」といった意味の発言をして、岡田斗司夫に突っ込まれるという局面があったそうですが(ぼくはBSに加入していないので見ることができません)、そのことを思い起こしてもいいでしょう。そもそも手塚にも白土三平にも、そうした批判はあったわけです。つまり、過去のものについては免罪され、いまのものは「問題」として捉えられていた。

過去が免罪されていたどうのこうのは、とりあえず置いとくね。


フィクションであるから、作者は"なにか"を発露したくて、物語を紡ぐ訳ですが(ポストモダンとか脱構築デコンストラクションとかはナシの方向で願いますm( _ _ )m )、そこにおける"死"の取り扱いは、やっぱり気になる、かな。

「気になる」と云っても、いしかわじゅんと同じようなことを云いたい!訳ではなくて、物語の転回点となる"死"は、物語に予め内在していた原因によらなければならないのではないか、と僕は考えるんですが。

"機械じかけの神デウス・エクス・マキナ"なんていう文芸用語もありますが、神話や、それを原型としたSFやファンタシィならまだしも、近代以降の文学に神なんか存在しないんだから、原因が内在せず、"死"を描くことが目的でもない物語に、そんなにお手軽に"死"を投げ込んじゃうのは、やっぱイカンのじゃないかなー。
それまで、どんな物語を紡いでいようとも、人生最大のイヴェントである"死"を放り込むことで、物語は"死"に影響を受ける訳で、"死"を描くこと、あるいは、"死"を描くことによってある種の感情を得ることが、その物語の目的であるならば、それに問題はないんだろうけども。

この映画の中でも、貧乏のどん底から這い上がってきたヒロインは、悪役の奸智と偶然とによって全身不随になり、最後には死を選ぶんですが、それが物語の要請であるとは、僕には、決して思えませんでした。


と、相変わらずグダグダですが、一応は、こんなトコですかねえ。
daddyscar at 17:45   このエントリーを含むはてなブックマーク   この記事をクリップ! Comments(1)TrackBack(5)movie  Edit

トラックバックURL

この記事へのトラックバック

1. - TBStation - ミリオンダラー・ベイビー  [ ¢ Cinema Cafe ¢ ]   June 16, 2005 04:55
= ミリオンダラー・ベイビー = {{{:[http://blogs.yahoo.co.jp/tommy101007/POLL/yblog_poll_vote.html?fid=156131&no=3364618 □ 投票 (Yahoo!IDをお持ちの方) □] (1)★☆☆☆☆ 〜 ★★★★★ を選択 (2)投票得点とレビューをお願いします。    既に
2. α012 ミリオンダラー・ベイビー  Million Dollar Baby  [ CINEMA DU MODE ]   June 16, 2005 05:33
Million Dollar Baby 監督・製作・音楽・・・・・・・・・・・クリント・イーストウッド 脚本・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ポール・ハギス                        イーストウッド組 撮影・・・・・
3. ミリオンダラー・ベイビー  [ 親愛なるアナタへ ]   June 16, 2005 21:57
一昨日の土曜日、連れ合いと二人でミリオンダラー・ベイビーを見てきました。 話題作だけあって、映画館はほぼ満席。 最後、ウルウルしていた人が多かったようです。 私は泣かなかったけど。ラストに違和感があるからかなぁ。 詩を書きますね。 「モ・クシュラ」
4. ミリオンダラー・ベイビー3  [ 親愛なるアナタへ ]   June 16, 2005 22:01
ミリオンダラー・ベイビーのラストをどのように解釈したらよいのだろうか。 マギーの父が老いた犬にしたことの意味。 あの運命の試合の意味。 マギーは同志であるフランキーの重荷になるのが耐えられなくて、自分の命を絶とうとしたのだと思う。 そうであれば、愛する
5. ミリオンダラー・ベイビー  [ シネマ・ぶりざーど ]   June 17, 2005 22:25
★★★★★ ボクシングがテーマの感動スポ根映画かとおもいきやとんでもない。「ミリオンダラー・ベイビー」は、生きる意味の全てを正面からつきつけてくるハードな作品だ。 娘と絶縁されて心に深い傷を負うボクシングジムのオーナー、すさんだ家庭に育ちながら現実

この記事へのコメント

1. Posted by tommy   June 16, 2005 12:21
TBありがとうございました。嬉しく思います。面白い記事がたくさんありますね。気になるところをちょこちょこ見せていただきます。

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
Profile
daddyscar




紹介するほど
自己確立してないし
まあ、ただの日記なんだけど
それでだけ終わるのも
能がないっていうか
パラノ体質が許さないってか

で、一応ゲイなんですが
それに限らず色々書いてきます
でも、やっぱゲイであることから
離れることは出来ないかも



RSSを登録


Archives
Recommend

Mr.インクレディブル



Strangeways, Here We Come



伝奇集



ファントム・オブ・パラダイス



Watchmen



Mahler: Symphony No.9



デッドゾーン デラックス版



デビルマン (2)



The Stone Roses



IT〈1〉



Mixed Up



ブルーベルベット



半神



Slow Motion World of Snowpony



祈りの海



Loveless



ウィチャリー家の女



ティ-ンエイジャ-・オブ・ジ・イヤ-



戦闘妖精・雪風(改)



The Buried Life



密閉教室



Roxy Music



虚空の眼